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美意識を育ててきた様子

「異性にセクシーさをアピールできる」などの項目を年齢別に比較すると、25歳から29歳までの層では、6割から7割が「あてはまる」もしくは「ややあてはまる」と答えているが、60歳から64歳の層では20%以下にまで大きく減少する。また、「お気に入りの下着を選ぶ時に、どのような人の評価を意識するか」という質問について見ると、「恋人・好きな人」という回答は25歳から29歳の層で8割強に達するが、この比率は年齢が高まると急激に少なくなり、60歳から64歳では2割にまで落ち込む。やはり、異性の目を意識するのは圧倒的に若い人に多く、年齢差が顕著だ。「同性の友人」を意識するという回答も全体では半数を超えている。比率は若い世代で高めだが、60代でも4割弱が「同性の友人」を気にしている。さらに、下着選びの際に意識する人物として「自分自身(自己満足)」を挙げた人は20代から60代までのどの層でも一貫して8割程度をキープして高い。「下着はまず自分自身のために選ぶ」という意識は世代を超え、ほとんどの女性に共通しているようだ。以上のデータが示すように、確かに、異性へのアピールとして下着を用いることはある。ただ、こうした効果を利用しているのは、カップリングが盛んな比較的若い層に集中している。あくまで特別な状況における戦略的な使用法と考えられる。さらに付け加えるなら、異性へのアピールといっても、そのターゲットはおのずと特定の対象に限定される。男性全体に媚びを売っているわけではない。また、自由記述などを読むと、デートなどの場面で下着にこだわるのは、相手を直接、視覚的に誘惑しようとするのではなく、むしろ、女性としての自分の気持ちを鼓舞することが目的であることも少なくないようだ。一方で、「アピール」以外の心理的効果、すなわち、「気合」や「安心感」については、どうであろうか。アピールの効果は年齢とともに大きく減衰してゆくが、「気合」や「安心感」は、これに比べるとどの年齢層でも一定程度の効果が示されている。他者への直接的なアピールは“期間限定的”な効果であるのに対し、気合や安心感などの内面的な効果は一生を通じて安定しているといえる。誰のためでもなく、自分自身のために下着を選ぶ。下着へのこだわりの“本流”は、むしろこちらの側と見るべきであろう。すなわち、男性の知らないところで、女性たちは下着という衣服と生涯を通して向き合い、独特の美意識を育ててきた様子がうかがえる。

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