もともと株式投資は数十万円という少額の資金から始めました。当初成績は芳しくなかったのですが、さまざまなテクニカル分析の指標を駆使するようになって飛躍的に運用成績が上がったと先に述べました。そうすると自然に運用額も非常に大きくなり、一日の変動額が何百万円、多いときは1000万円を超えるようになりました。それはそれで喜ばしいことだったのですが、マイナス面も大きくなってきました。想像してみてください。朝、株の評価額が500万円上昇して笑い、昼にはそこから200万円損して落ち込んでいる人の表情と気持ちを……。一日、いやヘタをすると数時間おきに表情と気分がころころ変わってしまうのです。とくにネットバブルのころなどは1時間で何百万円も利益が上がったり、損をしたりということが毎日のようにありました。当然、勉強や仕事どころではなくなります。また、株式投資のような不労所得が入ると、苦労して働くのがバカらしくなる、という面もありました。デイトレーダーの気持ちもわかりますが、私の場合、これまでそれなりに努力して医師という職を得たのですから、やはり仕事をしっかりして自分を向上させることは人生を豊かにするのに欠かせないと思ったのです。そう考えるようになってからは、200万円を元手に年50%で運用し、利益の分をこづかいとして使い、翌年はまた、200万円を元手に投資理論の確実性をたしかめるために株式投資をするようになりました。