一見すると、どっちが前だか後ろだか分からない印象のボディ。それが初代ムルティプラの最大の特徴だが、それはデザイナーの気まぐれでもなんでもなく、このクルマのベースとなったモデルの構造に起因している。そのベースモデルとは、水冷直列4気筒633ccエンジンをボディの後端に縦置きしたリアエンジン後輪駆動の小型2ドアセダン「セイチェント」こと、フィアット600だった。これはフィアット初の純戦後型小型車で、発表は1955年。これをさらに小型化し、エンジンを479ccの空冷2気筒として登場させたのが、日本でも人気の高い「チンクェチェント」ことフィアット500である。それはさておいて、話を初代ムルティプラに戻すと、600、500と同じく、当時のフィアットの主任設計者だった奇才ダンテ・ジアコーザのデザインによって600の1年後の56年に世に出た。このクルマの最大のポイントは、当時、乗用車用としては皆無に近かったモノスベース形ボディを逸早く採用していたことにあった。しかもそれはリアエンジンのクルマだから、ルーフを後端まで伸ばしてテールを垂直にカットしても、エンジンの上はデッドスペースになってしまう。そこでジアコーザはそこを600ペルリーナ(セダン)と同様なだらかなファストバックにして流し、逆に運転席をぐっと前進させてフロントをまろやかな箱のようなデザインにした。結果、横から見るとどっちが前だか分からないボディが生まれたのである。しかもジアコーザが冴えていたのは、ベルリーナと同じ2000mホイールベースのシャシーと、その上に載った全長たった35m強のボディの内側に2人乗りシートを3列配置して、6人乗りの室内を実現してしまったことだった。
[参考情報]
オッティの中古車情報
http://www.goo-net.com/usedcar/NISSAN__OTTI/index.html
キャリイトラックの中古車情報
http://www.goo-net.com/usedcar/SUZUKI__CARRY_TRUCK/index.html
クラウンの中古車情報
http://www.goo-net.com/usedcar/TOYOTA__CROWN/index.html
サンバーバンの中古車情報
http://www.goo-net.com/usedcar/SUBARU__SAMBAR_VAN/index.html