『w』誌二〇〇二年二月号の投書欄には、ー月号の特集について少しばかりお怒りの様子の手紙が寄せられていた。「ジゼルがほかのモデルに水をあけているのはなぜ?ずばり、胸のせいです!・長くて細い脚と素晴らしい肌と髪の毛なら、どんなカバー・モデルだって持ってるでしょう?実はジゼルよりきれいなモデルはいるけど、いかんせん胸が扁平なのです。それから、記事は「ジゼルは神の贈り物」という論調だったけど、とんでもありません。このモデルについて今度記事を書く時には、タイトルはブソゼルの胸は。にして下さい。ある人が他人よりも優れているかどうかは、肉体的な特徴で決定するべきじやないんです。ジゼルに微分積分の方程式を解いたり、素晴らしいエッセイを書いたりすることができるのかしら?神の贈り物とは、そういうことができる人のことなんです」。だけど、ラメのビキニを着た数学者目当てに雑誌を買ったりするだろうか?すべてはファッションのせい?ファッション業界自体にも少しは負い目がある。そのことは、ほとんどの業界人が認めている。ただひとつ残っている疑問は、では、どれくらいの負い目なのかということだ。拒食症、過食症などの摂食障害は、多くの原因が重なって起こる複雑な症状である。ファッションもそのひとつである可能性は?もちろんある。一五歳の少女がファッション誌を隅から隅まで眺めていれば、「正常な」ボディーサイズについて、ちよっとばかり歪んだ見方をしたまま育ってもおかしくはない。同様に、ピッチリしたプラグのパンツを買ってご満悦の男性は、それを穿いた自分がランウェイに立つすらっとしたモデルだちと同じように見えないのでがっかりしてしまうかもしれない。